しろくまの日記

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デジタル時代にプライバシー保護とどう向き合うか?世の中の動きと媒体社の対応まとめ

IT業界ではこれまで20年近く、プラットフォーマーがどちらかといえば個人情報を搾取する側にいた。プラットフォームを無料で使用できる代わりに、行動履歴などの情報を収集し、そのデータをもってさらに最適化し利益アップにつなげていた。
近年、その流れが変わってきている。消費者を取り巻く環境や心理面の変化、それに対する世の中的な変化を踏まえて、プライバシー保護というのはもはや避けて通れない大きな問題になっている。

今回は、世の中の動きと各プラットフォーマーの対応を簡単にまとめてみる。

世のなかの動き

2018年5月
GDPRGeneral Data Protection Regulation)が欧州で施行

施行当日、世界的な大企業4社GoogleFacebookとその傘下のInstagram、WhatsAppが、GDPRを侵害しているとして提訴されました。GDPRについて詳しくは下記。

2020年1月
CCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法)が米国カルフォルニア州で施行

・生活者の知る権利に比重が置かれた法律
・生活者から預かった情報を適切に管理・運用していくことが求められる
アメリカには連邦レベルでは個人情報全般を保護・規律する法律が存在しない中、同州が先んじてCCPAを施行したことが注目を集めている。今後連邦レベルでの対応が進んでいくと想定されている
・閲覧履歴や検索履歴、消費者の選考、性格、心理的傾向、素質等などを反映するプロファイルも個人情報としている

2020年3月
日本でも個人情報保護法の改正案発表

 

媒体社はどう対応しているのか

Google

2020年1月
ChromeブラウザにおけるサードパーティCookieの利用を約2年後に停止すると発表

2020年2月
位置情報 のポリシー変更を発表。
アプリを表示していないときに位置情報を収集するアプリ開発者に対し、事前の承認プロセスを義務付けている。ユーザーのプライバシーを保護の観点で、位置情報を不必要に収集しようとするアプリを制限するのが目的。

2020年6月
プライバシーの保護を強化する改善を発表。
・履歴の自動消去(ロケーション履歴や検索、音声、YouTubeのアクティビティデータは一定期間後自動削除設定がデフォルトで有効になる)
Googleアカウントの管理を検索ボックスからアクセスできるようになる
・プライバシーモードの切り替えがより簡単になる

Facebook

2018年1月
プライバシー保護を重視しGDPRに準拠する旨を宣言
https://www.facebook.com/business/news/facebooks-commitment-to-data-protection-and-privacy-in-compliance-with-the-gdpr

2018年3月
2016年の米大統領選において、英選挙コンサル会社ケンブリッジ・アナリティカへの最大8700万人分の個人情報が流出が発覚。米連邦取引委員会(FTC)が調査に入り、約50億ドル(約5400億円)の制裁金。

2019年3月
Facebookをよりプライバシーを重視した空間にしていくと発表

2019年8月
ユーザーが自分の個人情報をターゲティング広告に利用できないようにできる新機能を導入すると発表(オフ・フェイスブック

2019年9月
ユーザー情報を不適切に扱う恐れがあった数万のアプリを停止

2019年12月

2億6700万人以上のフェイスブックユーザーの名前や電話番号を含んだデータベースがオンライン上に公開されてしまっていた

Twitter

2019年12月
Twitterプライバシーセンターを開設

2020年1月
CCA に準拠するため、利用規約とプライバシーポリシーの更新

Apple

2017年9月
ITP1.0を発表
3rd party cookieが一部制限(過去含めページ内遷移なしの場合は、発行から24時間後に無効 30日後に削除)

2018年3月
ITP1.1を発表
3rd party cookieの制限強化(そのセッションでページ内遷移なしの場合は24時間後に無効)

2018年9月
ITP2.0を発表
3rd party cookieの制限強化(ページ内遷移なし→即時削除)・1st party cookieも制限・トラッカーへのリファラ制限

2019年1月
アップルCEOがプライバシー保護強化のために闘おうと呼び掛け

2019年3月
ITP2.1を発表
1st party cookieの制限強化

2019年5月
ITP2.2を発表
1st party cookieの更なる制限強化

2019年6月
プライバシー保護を強化し、フェイスブックへの批判姿勢強める

2019年9月
ITP2.3を発表
1st party cookieの制限を更に強化・localStorageも制限

2019年10月
インターネットの閲覧データを中国のテンセント・ホールディングスに送信していると批判。セキュリティー機能の一環として、中国国内のデータのみ送信している、オフにすることも可能と説明

2019年11月
プライバシーの取り組みについて公式サイトをアップデート
プライバシー - Apple(日本)

2020年6月
iOS 14以降IDFA利用はオプトイン方式にすると発表
詳しくは下記にまとめている。

 

ご覧のとおり、Appleはほぼ一貫してユーザープライバシーを守るスタンスであり、今回上げた企業の中でも初期の頃から最も熱心にプライバシー保護を掲げている。
ハードウェアに強く広告モデルに依存していないということ、スティーブ・ジョブズが昔から個人情報を勝手に利用することをよしとしないという考えをもっていたことが理由のようだ。

今後日本市場においてどうなっていくか

日本市場でもプライバシー保護が求められるのは間違いない。どういう形になっていくかは今後注目である。少なからず、GDPRやCCPAなどをひとつの基準として規則などが決まっていくのではないか。

最後に、プライバシー保護について調べるなかで参考になった記事を2つ参考にはっておく。